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“soduk journal” vol.6
“2024 spring / summer collection [something about happiness]”
after talk #1

sodukからお届けしたいテーマや事柄を厳選して日記のように皆さんにお送りする、“soduk journal” (スドークジャーナル)。

第6回目は、2024 spring / summer collection 制作のアフタートークをお届けします。前半の今回はコレクションテーマの “something about happiness” についてのお話です。



something about happiness


2024 spring / summer collection のインスピレーションの一つとなったのは、「her / 世界でひとつの彼女」(2013 年、Spike Jonze監督)という映画でした。

この映画は人間とAIが恋をして、愛を育んでいく姿が描かれており、社会がそのひとに期待する他者視点での理想的な恋愛と本人が求める自分視点での理想的な恋愛の間のギャップが可視化されている点が印象的な作品です。

デザイナーの工藤は、そのギャップの中で自分視点での幸せや喜びを肯定しながら日常を紡ぎ出す主人公の姿に感銘を受けたと言います。




one long t-shirt / navy -coming soon
back to front denim trousers / blue

他者視点と自分視点。


この2つの要素は「装い」に対しても同じことを言える気がします。

世の中では時々、性別、ジェンダー、年齢、職業、体型などひとをカテゴライズする様々な要素に合わせて相応しい装いのイメージが用意されていることがあり、社会がそのひとに期待する他者視点での理想的な装いと本人が心から着たいと思う自分視点での理想的な装いの間にギャップが生まれることがしばしばありますが、

ひとが誰かを好きになる、その「誰か」ということを規定することを決して他者に委ねてはならないし、それは、その対象が何であれ祝福され得るべきとても大切な瞬間であるように、

何を着たい、それを着てどこへ出かけたい、と前進することも祝福されるべき大切なことなのではないでしょうか?

soduk 2024 spring / summer collection “something about happiness”では、
社会という大きな世界で生活しながらも、
自分だけのための小さな世界で自分を愛しながら、その幸せを肯定できるような服を制作しました。



patched t-shirt / white -coming soon
easy layered denim trousers / blue -coming soon

2024 S/Sシーズンを制作しているとき工藤は、「性について」「自分の見た目と社会からの視線」、そして「服やクリエイションを生み出す立場として自分が他者をどう思い、どう扱うのか」「自分の美意識を社会がどう感じるのか」などについて深く考えていたと言います。

社会が用意したおしゃれさ=トレンドにどう向き合うのか、その「トレンド感」が存在する限り、絶対的な完成はないのではないか。

sodukがウィメンズブランドとしてカテゴライズされるなかでも、いかに「女性性」を解体しながら、着るひとに受け入れられるような記号やムードへ翻訳できるか。

そんなことも考えながら、いつものように服だけでなく「ひと」にフォーカスされて制作された2024 spring / summer collectionでは、「ウィメンズ」というカテゴリーから逸脱していくような、ウィメンズウェアではあまり見られないディテールのアイテムや、他者が見たときに感じる感覚と本人が着ているときに感じる感覚にギャップをつけたアイテムをラインナップ。

もちろん、sodukらしいプレイフルさも忘れないコレクションピースです。



thermal pullover / green
easy layered denim trousers / blue -coming soon

例えば、easy layered denim trousers。
ローライズのデニムパンツにスウェットパンツがドッキングされたようなデザインになっています。

このアイテムをオーバーサイズのトップスと合わせたとき、他者から見ればローライズのボトムを履いているように見えますが、着ているひとはハイウエストのボトムを履いている感覚。
ミニサイズのトップスと合わせれば、ラフで楽なスタイルながら、ドッキングのギミックが効くことでおでかけにも着ていける一枚になっています。



one long t-shirt / navy -coming soon
back to front denim trousers / blue

back to front denim trousersは、デニムパンツの後ろ前が逆になったようなパンツ。

ヒップのパターンを大きく削っているので、フロントのチャックを前にして穿くことはできません。遊び心万歳で、一見穿きづらそうなデザインですが、サイドファスナーで着脱をする仕様になっていたり、伸縮性のある生地を使っていたり、着た際の心地よさが今季らしいアイテムです。



ドレッシーな服を作っているわけではないけれど、あくまで日常着として、他に合わせるアイテムが1000円の服であったとしても、
sodukのアイテムを身につけていれば、なんだか様になる。

他者からの視線が気になって、全てを覆い隠したくなるときもあるかもしれないけれど、
社会が用意した自分に似合う服の領域から半歩でも外に出られるような衣服を届けられればとsoduk teamは願っています。

次回、後半はこのコレクションテーマを表現したルック制作についてのお話を書こうと思います。
おたのしみに!